鞆鯛網一泊吟行

   広島ランブルメンバーの句

           日差子主宰特選句(2019年より毎月)     
  
  倉敷一泊吟行、
        千歳楽
  
   2020年
   





  過去の特選句
    2017、2018年
    1月
       初景色いろは丸てふ渡し船
       寒灯を残し露天の店仕舞ひ
       はららかに雪散華とも呉の海

    2月
       寒日和雲無き空の縹色
       掛け声の闇を動かす寒稽古
       大寒の子に大泣きといふちから

    3月
       声あらぬ子山羊のあくび春の昼
       風を待つ心はタンポポになつて
       湯屋裏の暗がりといふ余寒かな

    4月
       花衣着納めといふ振袖を
       紙の音響く卒業証書授与
       鳥雲に出るあての無き舫ひ舟
 
    5月
       縁ある茶杓の曲り柏餅
       宝塔のふところにあり春の月
       古の村は湖底よ若葉風

    6月
       連山の巨岩を隠す緑かな
       爺語る昔々や小判草
       山蟻や走り根縺れ捩ぢれ縒れ

    7月
       追伸の余韻に浸る涼しさよ
       万緑を越ゆる天守と観覧車
       大鳥居影と浮かせて大花火

    8月
       晩夏光椅子に織り成す幾何模様(兼題:晩夏)
       被爆樹の洞の木霊や夕立風
       繰り言に風鈴応ふ二度三度

    9月
       号令の笛はフォルテに秋日和(兼題読込:令和)
       心頭を滅却せよと稲光
       かはたれの祈りをここにつくつくし

    10月
       教会の燭に加はる月明り(兼題:月)
       煩悩も抜けて透きたる芒かな
       萩咲くや解かぬ正座に固き意志

    11月
       立冬の畦ゆく人の夕日影(兼題:立冬)
       庭を掃く音を拾ふや今朝の冬(兼題:立冬)
       山の端の夕日絶唱通草垂る

    12月
       雲速し落葉輪となり渦となり
       暁(あけ)の鐘遠く山茶花時雨かな
       冬日向もろとも吾子を抱きにけり


    豊月
    千恵子
    晶子


    豊月
    千恵子
    瑞憲


    新治
    瑞憲
    新治


    豊月
    瑞憲
    千恵子


    あつ子
    千恵子
    瑠美子


    孝子
    孝子
    新治


    奈央子
    瑞徳
    孝女


    蓮女
    あつ子
    あつ子


    新治
    千恵子
    苦楽


    豊月
    千恵子
    奈央子


    千恵子
    苦楽
    苦楽


    あつ子
    晶子
    瑞憲
   

      2019年




   

     01月
       一人づつ寒さ持ち込む終電車
       冬帝の一気に山を降りたり
       初御空てつぺん円き讃岐富士

     02月
       風花や小さき手にも消えてゆき
       湯の郷の路地の混沌八重椿
       忘れ得ぬ命いくつや冬の星

     03月
       崖に建つ毘沙門堂や春時雨
       ハーブティ淹れて始まる春の宵
       借景は峡の小流れ梅ひらく

     04月
       風光る海へ鳥居のうねりかな(兼題:風光る)
       チューバには大いなる洞万愚説
       高枝のここよここよと鳥の恋

     05月
       赤ダリヤ本気の恋は打ち明けぬ(兼題:恋)
       夏シャツや胎動ごとにぽわり揺れ
       ロープウエイ新緑へ影滑らせて

     06月
       宿の灯を消せばちろちろ夜釣の灯(オノマトペ)
       香煙のゆくへは茂り多門院
       子等そつと四次元に入る蚊帳の中

     07月
       紫陽花や日の差す白と差さぬ白(兼題:白)
       螢追ふ逢瀬の如く闇さぐり
       仁王門これぞ仁和寺青葉風

     08月
       星涼し木の電柱に樹の名残(兼題:涼)
       白靴や覚えたてなる蝶結び
       狛犬の高さに金魚すくひの灯
   
     09月
       指映す黒鍵の艶さやけしや
       炎天や沼に下りたる逆さ雲
       書き癖に辿る記憶や秋の宵

     10月
       全国大会in広島、準備の為無し

     11月
       ほやほやと声のしさうな甘藷かな(兼題:芋)
       鏡面の如き石碑や月映す
       花びらとなりて日を溜め秋の蝶

     12月
       彫像の撫でられ癖や冬日向
       妻逝きて老いても立てと冬木立
       冬あたたか二胡に地声と裏声と



    洋子
    蓮女
    新治


    松竹
    新治
    千恵子


    新治
    あつ子
    苦楽


    蓮女
    新治
    苦楽


    晶子
    智子
    新治


    千恵子
    新治
    洋子


    奈央子
    苦楽
    豊月


    新治
    奈央子
    新治


    新治
    孝子
    奈央子





    奈央子
    奈央子
    晶子


    新治
    松竹
    新治